パーフェクト・ブルー

職業に貴賤は無い、とは綺麗ごとです。
仕事には難易度があるし人には能力の差があります。
誰にでもできる仕事がある一方で特定の人にしかできない仕事があります。
でもそれを貴賤というのは憚られるべきです。

あえて言うなら、一次産業ほど尊いものはないと思いますし、金貸しほど卑しいものはない。
社会は歪んでいて、尊い仕事は儲からない。
それを清貧なんて言うのは今の時代ではもうやめてほしい。

肉体労働のほとんどを馬鹿でもできる低賃金の仕事と位置づけているのは特権階級の者だけではなく、実はその者たち自身でもある。
そんなに卑下することなのか?
労働者の美しさがわからない方がどうかしてる。

官僚や政治家が偉いとでもいうのか。
教師や警官に媚び諂うのか。

誰の税金でメシ食ってると言ってやれ。


労働者は確実に搾り取られます。
逃れる術はありません。
自分たちから搾り取った金で裕福に暮らしている役人に頭が上がらないなんてのはおかしな話なのです。
構造を理解していないのか?
労働者が馬鹿にされる所以はここに在るのではないかと思います。

社会の構造、機能が間違っているとは思いませんが、これを踏まえて対等に向き合えるはずなのです、本当は。

労働者は綺麗に生きることができます。
目の前のすべき作業を正確にこなすことが至上命令なのですから。
人の上に立つ者は、人金物を効率的に動かして利益を、効果を出していかなければいけません。
それには卑しさも必要で綺麗に生きることなんてできないこと。

川勝知事が言っているのはこのことではないかと思います。
決して職業差別をしているのではなく、労働者やその市場を管理するあなたたちはその意識をもって職務に励め、と言いたかったのではないでしょうか。
知らんけど。
大きな権力を持って大きなことを動かしていると足元の小さなことが見えなくなったりわからなくなったりするのかもしれませんね。


新型コロナによって不要不急の外出禁止令が布かれた頃、社会を支える職業をエッセンシャル・ワーカーと言って囃し立てたのは誰だったか。
それによって再評価を得た職業はあるでしょうが、それでもやはり社会は一線を引いた。
就きたい職業ランキングでも安定不動のワーストランカー。

僕等の食べ物、着る服、住む家。
全て労働で生み出されている。
AIが僕等から労働を奪いつくすまで、僕等は労働を誇っていいのではないでしょうか。