読書の秋

SF好きなら絶対外せないギリシャ神話には沢山の神と英雄と人物が登場します。
日本神話もそうですが、多神教の面白いところです。
どれをとっても面白いギリシャ神話ですが、後半のトロイア戦争で活躍するオデュッセウスの物語は格別です。
勝利して帰還するオデュッセウスは苦難に見舞われます。
その家に帰るまでの長い旅路が超絶面白いんです。
オデュッセウス帰還の旅は「オデュッセイア」で描かれていますが、これを元にして書かれたのがジョイスの「ユリシーズ」で僕が挫折した本の一つです。
「オデュッセイア」の人物から出来事から様々なものを置き換えて新しく描かれており、何よりも挑戦的な試みはその物語を1日の物語に集約しているところにあると言います。
そして、多くの読者が口をそろえている(かはわかりません)のは、「意識の流れ」と言われている文体です。
まあとにかく読みにくい。
何を読んでいるのかわからなくなります。
自分に読解力がないことに気付かされる衝撃の作品です。
今だったら読めるだろうか?
これまでに挫折した本はいくつもありますし、年齢を重ねてから読み直したら普通に読めた本も少なくありません。
それでも、ユリシーズにはまだ早い。
まだ手が出せません。
読める気がしません。

先日、ドラマの番宣でクリスマスイヴの一日だけを描く、という秋のドラマの紹介をチラッと見ました。
いや、ユリシーズだろそれ、とトラウマと共に思い出しました。
そんなこともあって読み直そうかななんて気が少しだけしましたが、やっぱりまだいい。
渦中のタレントが主演のようですね。
応援を兼ねてとりあえずこのドラマ見てみようかしら。
ユリシーズの読み方が何かわかるだろうか。
僕の長い旅路は出発地で躓いたままです。