筐体を作ってた頃、曲げ加工をメインの業務とし、溶接やレーザー、CAD/CAM、ロボットの自動溶接ティーチングなど多岐にわたる業務に携わらせてもらっていました。
飽きっぽい僕には都合がよかったですが、中途半端にならないように曲げだけは人一倍頑張りました。
僕だけではないですが、その当時鉄板の厚みは指で挟んで持てばわかったものです。
計器いらずの職人と言いたいところですが、みんなちゃんと計って確認してから作業に入ります。
鉄、ステンレス、アルミの加工が多かったですが、銅、真鍮、チタンなども取り扱い、珍しいものではハステロイなどの加工もしておりました。
曲げた際の伸び値や弾性による戻り値などは、素材によって、型によって、狙いの角度によって、曲げの長さによって、板厚によって、条件が変われば全てが変わります。
曲げ加工はまだまだ自動化するのが難しい分野です。
職人の経験則がモノを言う作業です。
随分夢中になったものです。
退職するときには引継ぎ用にまとめたノートが3冊とファイル2冊。
マニュアルを残していきましたが、それも作るのも面白かった。
曲げ加工に没頭していた僕が密かに憧れたのがへら絞り職人です。
当時勤めていた会社ではへら絞りの工程はなく、縁がなかったですがやってみたいとずっと思っています。
へら絞りには腕力、体力が必要で、職人はみんなガタイがいいです。
とても今から学んでその道に進みたいとは思いませんが、いつかやれる機会があればいいなぁと思っています。
昔、スペシャルドラマかなんかで渡辺謙がへら絞りをやってましたね。
実際に本人がやってました。
撮影までにかなり練習したのだとか。
いいよなぁ。
特権だよなぁ。
今日も、なんかバラエティであばれる君という芸人と一緒にいたトルコ人がへら絞りを体験しておりました。
羨ましい。
髙橋絞という会社で撮影しておりましたが、知ってます。この会社。
有名だし、数年前に3Dプリンターの素材目当てで行った「ものづくりワールド」という展示会に出展しており、そのブースにも立ち寄って色々話を聞かせてもらったりしました。
タンブラーとか食器とか素晴らしい品が並び、買おうか悩みましたが、いつか自分で作ろうと思って買わなかったです。
福祉用具で、へら絞りで作る部品やボディを必要とする商品はありませんが、僕が自社商品の製作ができる段になったら、何かしらどこかしらで取り入れたいと思っています。
まだしばらく先になりそうだなぁ。
憧れのへら絞り