この男、鬼才につき

「首」おもしろかったー




僕は映画を観る時はなるべく前情報を入れないようにしています。
今回もシャットアウトしていました。
タケシが秀吉役で舞台が本能寺の変でタイトルが首、とくれば当然黒幕秀吉説の採用と信長の首の行方を明確にする、といったところだろうと予想しましたが、更に深読みして、信長をあっさり殺しそうだな、なんて思っていました。

まーとにかく首が飛ぶ飛ぶ。
更に男色をかなり濃く描きましたね。
西島はキャラ定着してますね。
いやーきつかった。
本能にぶっ刺さる凄い作品でした。

タケシの映画は数学的で好きです。
対比の表現が天才的です。
武士と百姓はそのまま役者と芸人のよう。

暴力に意味を持たせず、大義なんて虚無で、命に重いも軽いもない。
何もかもを普通のこととする。

いやー、最高でした。
信長、最後はあっさり。やっぱり。
弥助を登場させたのはナイスでしたね。
奴隷として日本に連れてこられたアフリカ人を信長が従えてたのは知れた話ですが、登場する作品は数少ないです。
歴史本流にはあまり関係ないからですかね。
「首」では超重要なとこをあっさり持っていきましたが。
これも全て最期に秀吉が首なんかどうでもいいと言った一言に凝縮されていますね。

僕は思うのです。
構想30年とか言ってますが、この映画の起点は、ただタケシが「殿」をやりたかっただけなんじゃないか?
30年練ったのではなく、映画作るようになって30年、その日常を映画に置き換えて表現したのでは?

原作も読もうっと。