人の心に刺さる言葉には、生まれたものと作られたものがあります。
偉大なる先達の成功哲学を名言として受け取り僕らは心躍らせます。
狙いすましたマーケターのキャッチコピー一差しで僕らは踊らされます。
本来、物事は複雑で煩雑で深遠で無限大です。
だから僕らは惑うし迷うし思い悩む。
唯一つゴールを定め一点突破することで、取り巻く全てが単純化します。
その道を行く人には真理が見えています。
だからシンプルな言葉で僕らに往けよと背中を押してくれます。
しかし、その言葉は独り歩きしてしまい、その真理を理解しない者が使い失敗する。
ピンチはチャンス?
嘘です。
ピンチはピンチでしかない。
正しくは、ピンチを乗り越えたらチャンスが来る。です。
ピンチがチャンス?
罠です。
ピンチとチャンスは別物です。
ピンチを越えたらチャンスに届く。
ピンチが変わるわけではない。
僕は松下幸之助や本田宗一郎が好きで彼らの自伝や研修書は随分読み漁りましたし、彼らの物作りへの想いや心理、高度成長期だった当時の日本社会への想いやビジネスで成功するための真理などは、活字で理解して自分の血肉にしていると思いますが、彼らを理解したと思ったことは一度もありません。
今でも追いかけています。
彼らが言ったことを真似して使おうだなんて全く思いません。
瞬間に解った気がする時はあっても、やはりモノには出来ず感覚も霧散してしまいます。
それでも、その感覚に近づこうと思考して何度も試行してブレを補正して少しずつ見えてきます。
心を決めれば志向できます。
先達の名言はエールです。
指標ではない。
嘘は見抜くし罠は暴く。
真理を理解してやっと名言の意味がわかる。
ここに辿り着けと言っている。
僕も行く。
名言の罠と嘘