重複する超・福

スシローで何故か一番くじをやっています。
なぜだかガンダム。
注文するタブレットのメニューにそうゆうページがあるんです。
くじが好きな息子はすぐにやりたがります。
どうせG賞とかF賞とかのゴミみたいな景品に金を払う羽目になる。
一回だけな、と許す。

まさかのA賞。



は?
マスター・グレードのガンプラ。
フリーダム・ガンダム。
は?

マスター・グレードは、市場に流通する通常の商品でも¥5,000~はします。
¥790で一発ゲット。
なにそれ?

メルカリかヤフオクかゆずりやに持っていこうかと画策しましたが、かわいそうなので留まります。

ただ、喜んだのも束の間。
これーどーすんの?って話。

どうせ僕が作るんですよ。
ただ組み立てるだけなら2~3時間で作れるでしょうが、ただ組み立てるだけで良いわけがない。
鬼こだわって相当な日数を奪われること必至。
そんな時間ありません。

息子にやらせることにしました。
対象年齢15歳以上。
8歳で不器用な息子。
しんどくなるなーと気が滅入ります。



ニッパーの使い方を教え、図面(トリセツ)の見方を教え、ガンダムとは何ぞやを教え、マスター・グレードに挑む心構えを説き、いざ。

ガンプラを作らない人のために参考までに申し上げると、マスター・グレードとはその緻密さ精密さはまるで精密機械のようなもので、細部に至るまで細かくデザイン、設計されているのです。
僕が子供のころにはそんな精密なプラモデルなんて城くらいのもので、アニメ系のプラモデルなんてモナカみたいなものでした。
Zガンダムの変形を再現するあたりから高精度のプラモデルが出始めましたが、たぶん当時で¥10,000以上したと思います。
金がない小学生の僕は、せいぜい¥1,000未満のモナカを炙ったりランナーを再利用したりして改造して可動域を作ったりポージングさせたりして遊ぶくらいがやっとのことでした。
逆に、簡素にした¥300程度のBB戦士を上等に仕上げるのも良き遊びでした。
ガンプラと共に成長した僕のような世代にとって、ハイ・グレードやマスター・グレードが世に出始めたころにはとうに大人になっていて、童心に帰って遊びたいという欲求はあるものの高いしやる暇ないしでなかなか手が出せない代物なんです。

それでも、2度ほどマスター・グレードに手を出す機会があり、ホントに楽しかったのを覚えています。
持たざる者が知恵を絞って手を尽くして今あるものをよりよくする工夫を差し込む隙がなく、ある意味では空しさもありましたが、それでも量産品をこれだけの高精度に仕上げる技術と、おもちゃにここまでマジになる大人が居る会社が在ると知ることは、腐りかけていた僕の心をどれだけ打ったことか。

そんなマスター・グレードを容易く手に入れた息子。
マジで親の苦労知らね~


ニッパーの使い方が上達しない息子にキレながらおよそ10時間かけて完成しました。



出来栄えと言ったら酷いものです。
点数をつけるなら60点程度のものでしょう。
それでも、決して器用ではなく頭が良いわけでもない8歳の少年が難題をクリアしたことは称えるべきですね。
よく頑張りました。
僕に罵声を浴びせられながらもやり遂げて、最期に楽しかったと言った君は全てに勝った。
苦役でしかないと思っていた僕も救われました。
良かった。

ポージングさせるための台座を買っておいてあげよう。
遊んで壊すのも良し。
所詮おもちゃだ。

ところで、このガンプラ、フリーダム・ガンダムってヤツなんですけど、SEEDっていうシリーズのガンダムで僕は全然わからないシリーズです。
たしかガンダムオタクのカズが、宇宙世紀から遥か未来の話で世界観と設定がだいぶ違うから受け入れ難い、みたいなことを言っていました。
そして、なにより一番怒っていたのは、まさにこのフリーダム・ガンダムの事でした。
なんでも、ガンダムの語源は、ガン・フリーダムなのだそう。
フリーダム・ガンダムって、フリーダム・ガン・フリーダムになってまう。
とのことでした。

さて、今回のこの息子の話。
カズにどうやって話したら楽しく話せるだろうか。
悩む。